TikTok広告制作サポートの最強ツール、最小リソースで迅速に 量と質を担保する「TTCX」とは

1月 31, 2024

このインタビューはAdverTimes.にて2024年1月22日に広告掲載したものです。

TikTok広告制作サポートの最強ツール、最小リソースで迅速に 量と質を担保する「TTCX」とは

TikTok for Businessはこのほど、TikTokに出稿する広告のクリエイティブ制作をサポートするソリューションとして、セルフサービス型プラットフォーム「TikTok Creative Exchange(TTCX)」を開始した。

パートナー企業は1月時点で18社。今年はブランディング目的の広告制作にも対応し、サービスを拡充する考え。


「TikTok」の広告をどのように制作すればよいかわからないと、少しハードルを感じている広告主の課題に答えた。TikTok for Business, Global Business Solutions, Japan, Creative Solutions, Group Headの橋本剛典氏は、「広告主の皆さまから、『TikTokはほかのプラットフォームとは、効果のある広告クリエイティブの傾向が大きく異なる』という声をいただきます」と話す。


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「我々のチームでは、過去4年間のTikTokの広告でどのようなものが効果を生み出すのかを調査しています。いくつかポイントがありますが、まず一言で言うならば、TikTok専用のクリエイティブを用意するのが最も効果的だと言うことでした」(橋本氏)


TikTokで最も特徴的なのは、縦型の動画プラットフォームであるということだ。また、主戦場であるスマートフォンの画面を指でタテになぞる(スワイプ)するだけで簡単に動画が切り替わるというのも象徴的なユーザー体験となっている。言い換えれば、興味をそそられなければ即スワイプされ、ユーザーの視線は次の動画に移っていく。


「そのため、冒頭に関心を引くための“フック”があると見られやすく、また、内容に共感し、視聴を続けてもらえるよう、ユーザーインサイト(洞察)を踏まえることも重要です。TikTok上のトレンドに乗っかったり、企業のアカウントであっても、ユーザーのコメントに返信し、投稿者を巻き込むという動きも、TikTokらしさと言えると思います」(橋本氏)


さらに橋本氏は、動画クリエイティブの制作ポイントとして、3つの「R」を挙げる。曰く、「Recut」「Remix」「Reimagine」だ。これらをTikTok for Businessでは「3R」と呼称する。


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「Recutは、すでに述べた縦型素材であることを前提に、さらに動画のテンポを意識した編集を施すことです。不要なカットの削除やトランジションを取り入れるなどして、テンポよくシーンを切り替えること。さらにTikTokは音声ありで楽しまれているケースが多いので、もし音声がない素材を転用する場合でも、サウンドを追加することをお勧めします」(橋本氏)


同様に、「Remix」は、ブランドとして伝えたいメッセージを、ユーザーとの距離感がより近い存在であるTikTokクリエイターの言葉に変換して伝えること。これによって、ユーザーは、情報の信頼度を高く感じやすいという。過剰に美化しすぎず、ありのままの姿を表現することも重要だ。


「先ほど話したコメント返信が象徴的ですが、ユーザーとつながるような広告は効果的です。また、商品やサービスによっては、ハウツーテクニックを伝授するといったことも、ユーザーに喜ばれる手法のひとつです」(橋本氏)


そして「Reimagine」は、TikTokのさまざまな機能を活用すること。お題を提示して動画をユーザーから募る「ブランドミッション」や、商品・サービスを疑似体験したり、世界観に没入したりできるような効果を追加する「ブランドエフェクト」、あるいは「インタラクティブアドオン」など動画に機能を追加するものなど、単に動画を配信する以上にできることが数多くある。


これら「3R」を生かしながら、オリジナルで制作したほうがよいことはわかっていても、TikTokならではのポイントを踏まえながら、成果を生むための質や量をどのように担保していくか。それが広告を出稿する上での課題となっている。特に量は、ダイレクト広告においては重要な因子だ。橋本氏も「一定以上のパターンを出していくことで、成果を図りながら改善を重ねていくことができます。しかし、そのための量を担保することと、改善を図っていくスピードを高めることが難しい、という声が多く寄せられていました」と話す。


そこで、用意したのが「TTCX」だった。




20営業日で4本の動画を制作


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「TTCX」について、TikTok for Businessの李雪氏は「広告主が迅速にスケールアップできる動画制作を、ワンストップで提供するツールです」と話す。TTCXに参画するパートナー企業とのマッチングをセルフサービスで進めることができ、コンセプト策定から制作までのフローを一貫してサポートする。さらに期間限定で、「TTCX」経由で広告クリエイティブを制作すれば、費用は広告出稿費の最低金額のみで、制作自体は無料となる。これも今取り組むメリットの1つだ。また、TikTokクリエイターとコラボレーションすることも可能。


「TTCX」のパッケージは大きく分けて2つ。「新規動画制作(Net-New)」と「既存動画編集(Remix)」だ。前者は新たに動画を制作するパッケージで、後者は既存の動画をもとにバリエーションないしはサイズの変換を施すもの。「新規動画制作」はさらに「スタンダード」「アドバンス」 の2つのメニューがある。


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たとえば「新規動画制作」の「スタンダード」は、2組TikTokクリエイターを起用し、それぞれ2本、合計4本の動画を制作する。標準の期間は20営業日。最低出稿金額は100万円だ。さらに今後新たなメニューも追加される予定。


もう一方の「既存動画編集」の「スタンダード」パッケージは、既存の動画から複数のバリエーション動画を制作するもの。シーンの順序やコピーを変更するなどして、5バリエーション(=5本)を10営業日以内に用意する。最低出稿金額は25万円。「既存動画編集」にはもうひとつ、「ヨコタテ(YokoTate)」という、既存動画をTikTokやTikTok for Businessが提供するアドネットワーク「Pangle」に適した動画に変換する。動画1本を15営業日以内という目安で、同50万円。


「TTCX」は2023年9月にベータ版の提供を開始し、11月24日に正式ローンチした。李氏によると、「日用消費材(=FMCG)やメディアの広告主さまが活用を始めておられます。『新規動画制作』メニューを用いたある事例では、アプリのインストール費(CPI)が以前より12%低く、またコンバージョン率が1.6倍になりました」。


ポイントはやはり、さまざまなクリエイティブを用意したことだった。「TTCXはこのように、量と質を担保することで、スピード感よく広告を展開することに強みがあります。改善はもちろん、クリエイティブが多いほうが効果も上乗せされますし、現状は特にパフォーマンス広告に効果的だと考えています。また、今後、クリエイターパッケージの追加を予定しており、さらにブランディングの効果も伸びていくことが期待できます」(李氏)



パートナーとして参画するのは、TikTokの広告制作に強みを持つ制作会社だ。


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「キャンペーンマネジメント、アセスメントをして、広告主さまのクリエイティブニーズにお応えできるパートナーを選別し、現在18社と提携しています。TikTok for Businessによる広告審査のセミナーや効果的なクリエイティブ制作のノウハウなどを共有し、制作支援も行っています」(TikTok for Business 山本優衣)


さらに今後は、ブランディング目的のクリエイティブ制作にも対応する予定だという。山本氏は「ここまでお話したとおり、ローンチから現在に至るまでは、まずは良質な、複数のクリエイティブの制作を可能にするサービス提供をスタートさせました。しかし、クリエイティブニーズは、パフォーマンスだけではありません。ブランディング目的のクリエイティブについてもご相談をいただいており、2024年にもご利用いただけるようにクリエイティブプログラムをご用意する予定です」と話す。


TikTokが効果的だとわかっていても、知見、ノウハウやリソースが足りず、手が伸びなかった広告主にとって、「TTCX」は大きな武器となりそうだ。



制作:宣伝会議 AdverTimes.編集部

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